シラカシ(白樫)の特徴と魅力
シラカシ(白樫)はよく使われる庭木の一種です。シラカシと聞くとあまりイメージがわかないかもしれませんが、どんぐりの木のことです。
樫の木の中でも、幹を切った断面が白いため白樫(シラカシ)と呼ばれます。
なお、外から見た幹(樹皮)は黒いため黒樫(クロカシ)と呼ばれたりもします。白と黒で正反対ですが、まったく同じ木のことを指しています。
シラカシは常緑のため1年十緑を楽しむことができます。背も高くなり葉も多い茂るので、シンボルツリーにしたり、部分的に視線を遮る目隠しとして使われます。
シラカシの断面は確かに白いです。
シラカシの木には6月頃どんぐりができます。実ができたころは緑色です。形も潰れた駒のような形をしています。
8~9月頃になるとどこから見てもどんぐりになります。
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | シラカシ |
漢字 | 白樫 |
その他の呼び名 | カシ、ホソバカシ、クロカシ |
樹木の種類 | 常緑広葉樹 |
高さ種別 | 高木 |
自然木の高さ | 約15~20m |
成長速度 | 早い(30~50cm) |
花の色 | – |
花の咲く時期 | – |
葉の大きさ | 5~12cm |
葉の色 | 緑色 |
実の付く時期 | 春(6月頃。熟すのは10~11月) どんぐり |
食用 | △(渋い。そのままでは食べれない) |
土壌・気候 | 日当たり水はけがよい場所を好む |
病気の耐性 | 〇 強い |
主な害虫 | アブラムシ |
国内の生息地 | 本州(福嶋や新潟を除く東北地方以外)、四国、九州 |
寒冷地 | 〇 |
庭木としてのシラカシ(白樫)
シラカシは成長も早く、寒さや暑さにも強く、日陰でも育ちます。病気や害虫にも比較的強いため、成長しやすく、一度根付いてしまえば水やりなども不要などとても育てやすい品種です。
常緑樹で1年中葉を楽しむことができます。
常緑なので葉っぱが落ちないのかというとそうではなく、5月になると新芽がでてきて、古い葉っぱは下に落ちます。
下の写真の赤い葉っぱが新芽です。
シラカシは背も高く、葉っぱが覆い茂るので、お隣やご近所のリビングや窓からの目隠しとして使われることがよくあります。
シラカシ(白樫)のメリットまとめ
シラカシ(白樫)の手入れ
植える場所と時期
日当たりがよい場所を好みますが、日陰でも育ちます。耐寒性があり寒さにも強いです。
成長すると高さがある木なので、上の空間に障害物がないか確認します。根が広く張るため周りに十分なスペースがある場所に植えるようにします。
また、一度根がしっかりと張ってしまった後は、移動が難しかったり、移動の際に根が傷ついて枯れてしまうことがあるので、植える場所にも注意が必要です。
鉢植えで育てることには向かないため、地植えが推奨されます。最初のころは鉢植えでも問題ありませんが、根が大きくなったら移し替える必要があります。
木をあまり高くしたくない場合は、他の木を植える間隔を狭くします。
植え付けや、鉢からの植え替えの期間は5~6月が適しています。
水やり
基本的に水やりは不要です。夏場など土があまりに乾燥している場合は時折水をあげるようにします。
剪定
シラカシは葉が覆い茂るため剪定が必要です。剪定は木の成長が落ち着く6~7月と10~11月が適しています。
成長が早く丈夫な木なので、多少剪定を失敗しても枯れることなくまた元気に成長してくれます。
これ以上大きくしたくないという場合は、芯止めをして上方向への成長を止めるようにします。
シラカシ(白樫)の病気や害虫
うどん粉病
シラカシは病気に強く害虫のつきにくい木ではありますが、風通しが悪いと白い粉をふりかけたようになる「うどんこ病」にかかる可能性があります。
うどんこ病とは、土や落ち葉に潜む「糸状菌」と呼ばれるカビが原因で発生します。1箇所で発生すると、風などに乗って周りに広がります。
ジメジメしてやや暖かい梅雨の時期に発生することが多いです。
うどんこ病はどんどんと葉っぱを覆っていきます。葉っぱが覆われると太陽の光を吸収しずらくなり、成長が遅くなり、やがて栄養が生成できず黄色くなり枯れてしまいます。
うどんこ病が発生したら、周りに広がらないように葉っぱを切り取ります。切り取った葉はそこら辺に捨てずに、燃やすなどして完全に処分してください。
軽症の場合は、酢を薄めたり(20倍で希釈)、重曹を薄めたもの(重曹:水が1:1000の割合程度)をスプレーで吹きかければ改善することがあります。
化学薬品を使わずにうどんこ病の原因菌を退治してくれるカダンセーフもおすすめです。
肥料にもなり、うどんこ病対策ができる完全オーガニックの製品もあります。
気になる場合や、症状が進行している場合は薬剤を使うとより確実です。希釈してありすぐに使えるスプレーのものや、原液を薄めて使う徳用のものがあります。
うどんこ病の発生を防止するためにも、日当たり、風通しを確保し、水が溜まりすぎないようにすることが大切です。
アブラムシ
シラカシには害虫であるアブラムシが発生することもあります。アブラムシは葉の裏や茎などにつく小さな虫です。色は緑、赤、青、黒など様々です。
とても繁殖力が高く放置するとどんどん増えていきます。
被害としては、アブラムシが植物の汁を吸ったり、葉を覆うことにより光が届かず栄養が行き渡らなくなってしまうことと、アブラムシを介してウイルスが入ってしまうことです。
アブラムシを見つけた場合は早いうちに駆除する必要があります。
安全性では、ニームオイルという、インド原産の木の種(イントセンダン)から採れるオイルを使った完全オーガニックの除去剤がおすすめです。
殺虫剤はベニカXファインスプレーが即効性があり、持続期間も1ヶ月と長くおすすめです。
シラカシ(白樫)の価格・相場
シラカシ(白樫)の価格や相場は、その大きさにより大きく変化します。数十cmほどの苗であれば500円程度から、そして1mを越せば5,000円~1万5000円、2mを越すと1万5000円~3万円あたりが相場になります。
特に苗の場合は目隠しや生垣、防風用として複数本セットで売られていることも多くあります。
苗木
価格・相場500円~2,000円程度です。年間30~50cmのスピードで成長していくので、苗で植えても数年である程度の高さになります。
1m~2m
価格・相場は5,000円~1万5000円程度です。
2m~3m
価格・相場は1万5000円~3万円程度です。成長が早い木なので、2m超えのものはあまり多く出回っていません。
複数本のセット
シラカシ(白樫)のデメリット
丈夫で成長が早いなどメリットの多いシラカシでもありますが、デメリットもあります。
シラカシの葉は目隠しになるほど覆い茂りますが、その分広がるので剪定が必要です。
また、シラカシはとても高く育つ木です。根も大きく張ります。そのため、植える際はスペースが必要です。鉢で育てることには向きません。
木の成長させすぎたくない場合は、隣に植える木との間隔を狭め、根が広く張りすぎないようにしたり、成長を止めるために上部を切り落とす 芯止め などをする必要があります。
シラカシ(白樫)の分類(専門データ)
項目 | 内容 |
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和名 | シラカシ(白樫) |
界 | 植物界 |
門 | 被子植物門 |
綱 | 双子葉植物綱 |
目 | ブナ目 |
科 | ブナ科 |
亜族 | コナラ属 |
種 | シラカシ |
学名 | Quercus myrsinaefolia Blume |
英名 | Cyclobalanopsis myrsinifolia (Blume) Oerst |