庭木としての「ブルーアイス(コニファー)」特徴と魅力とは?育て方や成長後の大きさ、虫の湧きやすさ、価格・相場はいくら?

ブルーアイス(コニファー) 庭木

ブルーアイスの特徴と魅力

ブルーアイスは庭木としてよく用いられるコニファー(針葉樹)の一種です。

アメリカ北西部のオレゴン州原産です。寒さにも比較的強く-10℃程度まで耐えることができます。また、干ばつや暑さにも強く、芽が出やすく、害虫や病気にも強く、そこまで手間がかからずに育つ木です。

完全な緑ではなく白みがかった、青白い色が特徴です。

この白みがかった色が、さらりと積もった雪のようで冬や涼しさを連想させてくれます。クリスマスツリーとして使われているところも見かけます。

ブルーアイスの芽は薄い茶色をしています。春頃から新芽が出て新しい葉が成長します。

項目内容
名前ブルーアイス
漢字
その他の呼び名
樹木の種類常緑針葉樹
自然木の高さ約8~15m
成長速度早い(約30~50cm)
花の色
花の咲く時期
葉の大きさ
葉の色青白い
実の付く時期
食用
土壌・気候日当たり水はけがよい場所を好む
病気の耐性〇 強い
主な害虫スギドクガ、アブラムシ
国内の生息地
寒冷地

オレゴン州はどこ?気候は?

ゴールドクレストの原産地であるオレゴン州は、カナダとの国境近くにあります。

オレゴン州最大の都市であるポートランド自体は冬の最低平均気温も3℃とそこまで寒い地域ではありません。

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庭木としてのブルーアイス

成長も早く、寒さや暑さ、病気や害虫にも比較的強いため、コニファーの中でも育てやすい品種です。常緑樹で1年中葉を楽しむことができます。

コニファーの中でも香りが強い品種で、爽やかな木の香りを楽しむことができます。

横方向に強く伸びることは無いので剪定も比較的容易です。ただし、木が成長して高くなったり、きれいな円錐形を保ちたい場合は剪定にかける時間が必要です。

庭木としてのブルーアイスの特徴
  • 成長が早い
  • 1年中緑を楽しめる
  • 落ち葉がないので掃除が楽
  • 庭上で根がついたら水やりしなくていい
  • 木の香りがある(ヒノキ科)
  • 害虫に強い
  • 病気に強い
  • 乾燥に強いが、湿気に弱い
  • 根が張るまでに時間がかかる
  • 根が張りにくいので倒れやすい

葉は根元から生え、上へ上へと育っていきます。

image: The Plant Store

剪定をすれば、下の方は風通しをよくすることもできます。

形を整えればきれいな円錐形になります。

葉の色が涼しく、雪ともよく合います。

ブルーアイスの手入れ

植える場所と時期

水はけ、日当たりがよい場所を好みます。乾燥した気候には強いものの、湿気には弱いので、湿度の高い場所は避けてください。

庭植え(地植え)と鉢の植え替えタイミングは4月~6月頃が適しています。落葉樹と異なり、常緑樹は寒い時期に植え替えをすると根を痛め枯れてしまうことがあるので、寒い時期は避け、春頃に行うようにしてください。

根の張りが浅く成長が遅いため、風などで倒れてしまうため、強風が吹く場所は避けるか、植えてから数年間の間は支柱を添えるようにしてください。

水やり

庭植え(地植え)および、鉢植えの場合も、植え付けから2年未満の場合は、土の表面が乾いたら、土の表面が水を吸わなくなるまで、しっかりと水をやります。

庭植えで2年以上経過し根が張れば、基本的に水やりの必要はありません。あまりに日照りが強く乾燥する場合は水をやってください。

剪定

基本的に剪定の必要はありません。形を整える場合に剪定を行います。

また、8~15mと高く成長する木なので、目標の高さに達したら、成長の先端部を切る芯止めを行います。

芯止めをしないととても大きくなります。大きくなればなるほど剪定が大変になります。

image: Conifer Gardens Nursery

葉っぱが茶色くなったけど大丈夫?

ブルーアイスのみではなく、コニファーは内側の葉が茶色くなっていくことがあります。

これは、湿度が高すぎたり、日光が足りなかったりというコニファーにとって過酷な条件で葉が枯れていった状態です。

茶色くなり枯れてしまった葉は手で摘み取り、風通しをよく保ちます。一時的に不格好にはなりますが、時間が経てば、新芽が出てきて、また緑で覆われていきます。

また、摘み取りの際に金属製のハサミを使うと葉が変色することがあるので、手、あるいは、セラミック製のハサミなどを使います。

セラミックは材質としても優れていて、軽量で錆びることがありません。セラミック刃物で有名なフォーエバー(FOREVER)社のはさみが評判も高くおすすめです。

なお、先端部のみが茶色いときなどは、そこから新芽が出て覆い隠してくれることが大半なので、刈り取らずそのままにして様子を見るようにしてください。

ブルーアイスの病気や害虫

葉枯病

上記の葉っぱが茶色くなる症状の原因の一つに、葉枯病があります。カビ(糸状菌)によるもので、湿度が高く湿っぽい時期に発生しやすいです。

葉の中には菌が潜んでいるので、茶色くなってしまった葉は摘み取り、風通しをよくして菌の拡散を防ぐようにします。

下に落ちた葉っぱの中にも菌がいるので、落ちた葉っぱも処分するようにします。

また、落ちた葉っぱから土の中に菌が入っていることもあるので、マルチシートを被せるなどして土の飛散を防ぐようにします。

葉枯病の発生を予防したり、カビなどの菌繁殖を防ぐためには、ダニコールという殺菌剤が価格も安めで評判も高くおすすめです。

スギドクガ

害虫被害はほとんどありませんが、スギドクガやアブラムシが発生することがあります。

スギドクガによる被害は、緑色でツンツンした毛が生えた幼虫が葉っぱを食べてしまうことです。5~6月、7~8月に2回羽化するのですが、そのタイミングで葉っぱを食べます。最悪の場合、葉っぱが食べつくされ、枯れてしまうことがあります。

image: Forest Research and Management Organization.

ちなみに、「ドクガ」という名前がついていますが、幼虫~成虫のいずれにも毒性はありません。ただし、毛が刺さることがあるので注意してください。

スギドクガを見つけたら、数が少ない場合は取り除くようにします。素手では触らず、枝などで落として靴でふんづけるなどします。

数が多い場合や、自分で退治するのはちょっと、、という方はスミチオン乳剤という薬剤がおすすめです。スミチオン乳剤は家庭菜園などでもよく使われる薬剤で使い方も簡単です。水で1,000~2,000倍ほどに薄めじょうろや噴霧器で散布します。

植物の茎や葉の内部に入ってしまった害虫にも効果を発揮します。価格も1,000円程度と入手しやすいです。

アブラムシ

ブルーアイスには害虫であるアブラムシが発生することもあります。アブラムシは葉の裏や茎などにつく小さな虫です。色は緑、赤、青、黒など様々です。

とても繁殖力が高く放置するとどんどん増えていきます。

植物につく害虫 葉っぱに群がるアブラムシ

被害としては、アブラムシが植物の汁を吸ったり、葉を覆うことにより光が届かず栄養が行き渡らなくなってしまうことと、アブラムシを介してウイルスが入ってしまうことです。

アブラムシを見つけた場合は早いうちに駆除する必要があります。

安全性では、ニームオイルという、インド原産の木の種(イントセンダン)から採れるオイルを使った完全オーガニックの除去剤がおすすめです。


殺虫剤はベニカXファインスプレーが即効性があり、持続期間も1ヶ月と長くおすすめです。


ブルーアイスの価格・相場

ブルーアイスの価格や相場は、その大きさにより大きく変化します。数十cmほどの苗であれば2,000円程度から、そして1mを越せば5千円~1万円、2mを越すと2万円あたりが相場になります。

目隠しや生け垣として複数本セットで売られていることも多くあります。

苗木

価格・相場1,500 ~ 3,000円程度です。年間30~50cmのスピードで成長していくので、苗で植えても数年である程度の高さになります。

1m~2m

価格・相場は3,000円~10,000円程度です。

2m~3m

価格・相場は20,000円程度です。成長が早い木なので、2m超えのものはあまり多く出回っていません。

複数本のセット

ブルーアイスの注意点(デメリット)

ブルーアイスは害虫や病気にも強く比較的育てやすい品種ではありますが、いくつか注意点があります。

注意点(デメリット)
  • 根が浅く、張るまでに時間がかかる
  • 強風などで倒れやすい
  • 湿気に弱い
  • 成長が早い(年30~50cm)
  • 最大で8mを超すとても高い木になる

ブルーアイスの分類(専門データ)

項目内容
和名ブルーアイス
植物界
球果植物門
マツ綱
マツ目
ヒノキ科
亜族イトスギ属
アリゾナイトスギ
学名Cupressus arizonica
英名Cupressus arizonica ‘Blue Ice’

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