庭木としての「アオダモ」特徴と魅力とは?育て方や成長後の大きさ、虫の湧きやすさ、価格・相場はいくら?

アオダモの花 庭木

アオダモの特徴と魅力

アオダモは日本に昔から生息している木で、沖縄を除く日本中で見ることができます。日本の気候にも合っていて寒冷地でも育ちます。

害虫や病気にも強く、そこまで手間がかからずに育つ木です。

自然のままの木は5mを超す高い木になりますが、剪定をしたりすることで、そこまで大きくならずに育てることができるため、家の庭でシンボルツリーとしてよく用いられます。

春には白いフワフワとした可愛らしい花が咲きます。そして、2ヶ月ほど経つとえんじ色の細長い実ができます。落葉広葉樹なので、寒くなれば葉が落ちます。

このように、1年を通して、色が変わっていき、季節感を楽しめるのも人気の理由の一つです。

また、葉の量も多くないため、落ち葉の掃除もそこまで大変ではない点も人気の理由に挙げられます。

一つの下部から複数の幹が生えてきます(「株立ち」といいます)。

幹の色は白いまだら模様になることが一般的です。人がみな違うように、アオダモのまだらの度合いも木によって異なります。

項目内容
名前アオダモ
漢字青梻
その他の呼び名コバノトネリコ、アオタゴ
樹木の種類落葉広葉樹
自然木の高さ5~15m
成長速度遅い(1年で10~20cm)
花の色
花の咲く時期4~5月
葉の大きさ4~10cm
実の色えんじ
実の付く時期5~6月
食用△ 樹皮を薬として利用
土壌・気候日当たり水はけがよく、西日が当たらない場所を好む
病気の耐性〇 強い
主な害虫テッポウムシ
国内の生息地北海道から九州(沖縄以外)
寒冷地

庭木としてのアオダモ

日本の気候に合っていて、庭木としてとても育てやすい木です。庭木としてのアオダモ特徴をまとめると以下のようになります。

庭木としてのアオダモの特徴
  • どこでも育ちやすい
  • 成長がゆっくり
  • 剪定をすれば大きくなりすぎることがない
  • 白い可愛らしい花が咲く
  • 葉の量が多くないので手入れが楽
  • 害虫に強い
  • 病気に強い

葉の量が少なめで、幹も細いので、目隠しとしての効果はありませんが、風通しがよく、家のアクセントとして使うことができます。

家の塀に沿って植えれば、目線がそちらに集まるので、庭や家をジロジロ見られたくないけど、開放感は欲しいという方には最適な気になります。

また、スペースがほとんどないような場所にも植えることができ、とても万能な木といえます。

細長く育つ木なので、オシャレな使い方として、ウッドデッキの一部に穴をあけて、そこからアオダモを生やすということも、最近はよくみかけるようになりました。

花の量はわりと控えめで、葉っぱの緑もしっかりと見える状態になります。

アオダモの手入れ

植える場所と時期

水はけ、日当たりがよい場所を好みます。西日は当たらないほうが好ましいです。

庭植え(地植え)と鉢の植え替えタイミングは12月~3月の寒い時期が適しています。この時期は葉が落ちて、アオダモが休眠期に入るので、成長への影響が出にくいです。

幹が細いので、根が根付くまでの2年ほどは添え木をして支える必要があります。

鉢植えの場合は、2~3年に1回は植え替えを行ってください。

水やり

庭植え(地植え)の場合、植たての頃は土が乾いたら水をたっぷりあげるようにします。水の温度が高い日中の水やりは避け、朝か夕方の涼しいタイミングで水やりをします。

乾燥のしすぎには弱いので注意が必要です。

一度根付けば、特に水やりは必要ありません。これが野生でも多く育っている理由でもあります。

鉢植えの場合は乾いてきたら水をあげます。水やりは朝のうちに行ってください。

剪定

基本的に剪定の必要はありません。剪定する場合も切りすぎることは避け、葉っぱが落ちた後に、伸びすぎたり、密集してしまったり、葉で覆われている部分があれば間引くようにします。

アオダモの病気や害虫

褐斑病

アオダモは比較的病気に強く、害虫のつきにくい木ではありますが、木が若いうちは褐斑病(かっぱんびょう)という葉の表面に茶色い小さな点々が発生する病気にかかることがあります。

褐斑病にかかった葉っぱの例(茶色い斑点)
wikipedia

褐斑病が進行すると、やがて葉っぱが枯れ落ち、最悪の場合には株も腐って死んでしまうことがあります。

褐斑病の原因は菌です。この菌は枯れ落ちた葉っぱの中に潜んでいて、冬も越してしまいます。このため、茶色くなった葉っぱはこまめに取り除き、枯れ落ちた葉っぱも集めて処分するようにしてください。

褐斑病の発生を予防したり、菌の繁殖を防ぐためには、サンヨール液剤ALという殺虫剤がおすすめです。褐斑病以外にもうどん粉病やアブラムシ、マイマイガなど多くの病原菌や害虫に対応しています。


テッポウムシ

害虫被害はほとんどありませんが、カミキリムシの幼虫であるテッポウムシが根っこ部分を食べてしまうこともあります。

テッポウムシ(、カミキリムシの幼虫)

木が鉄砲の玉で貫通したように木を食べて穴をあけるため、テッポウムシと呼ばれています。1~2年に渡って木の中を食べてしまい、その結果、木が枯れて死んでしまう被害が出ます。弱った木は台風などの強風に煽られてポッと折れてしまうこともあります。

大量発生することはほとんどありませんので、見つけ次第の駆除でも対応可能です。心配な場合は薬剤を注入しておくと安心です。

テッポウムシの殺虫から、その後の根本をしっかりと保護して再発を防ぐには、キンチョールE、カルスメイト、グリプロで対策をしておけば安心です。

多少値段と手間がかかりますが、木が腐って折れてしまったりするよりは、精神的負担も少なくなります。


アオダモの注意点

剪定をしていれば幹が太くなりすぎることはありませんが、細長く上へ上へと伸びていくので、ある程度高さがある空間が必要になります。

最終的に、どのくらいの高さにしたいかや、高くなっても大丈夫なのかといったことを考えながら、植える場所や剪定を行う必要があります。

アオダモの価格・相場

アオダモの価格や相場は、その大きさにより大きく変化します。数十cmほどの苗であれば5,000円程度から、そして1mを越せば1万5千円、2mを越すと3万円あたりが相場になります。

5mを超すものは20万円ほどするものもあります。

苗木

価格・相場は3,000 ~ 7,000円程度です。年間10~20cmほどしか伸びないので、狭いスペースに緑が欲しい場合におすすめです。



1m~2m

価格・相場は12,000円~20,000円程度です。



2m~3m

価格・相場は20,000~40,000円程度です。成長が遅い木なので、シンボルツリーとして植えたい場合はこのくらいの高さで植えるのが一般的です。



アオダモはバットとしても使われる

アオダモは密度が高くとても丈夫な木で野球のバットとしても使われることがあります。

イチローや大谷翔平も使っていたほどの材質です。ただし、生産量が少なく、バットとして使える太さまで成長するには50年以上かかるので希少価値が高く高級品です。

アオダモを販売しているところには「バットにもなる」と記載があるところもありますが、バットとして使えるのはひ孫の代(あるいはその先)になってからでしょう。

その頃には、幹が太くとても背が高い大木になってしまいます。

アオダモに似た庭木 ソヨゴ

アオダモに似た特徴を持つ木としてソヨゴがあります。

アオダモと同じく細い株立ちの木です。アオダモと並んで庭木としてよく植えられる木でもあります。ウッドデッキをくり抜いた場所や庭の狭いスペースなどにも植えられたり、ライトアップにもよく合います。

アオダモとソヨゴの違い

アオダモとソヨゴの大きな違いは2つあります。

  1. 常緑か落葉か
  2. 花があまり目立たないか、白く大きく目立つ花が咲くか

ソヨゴは常緑で1年中緑を楽しむことができる反面、アオダモは落葉広葉樹なので冬になると葉が落ちます。

一方、ソヨゴの花は数mm程度のとても小さな花しか咲かないのに対し、アオダモは白くフワフワとした花が咲き誇り、花が咲いている間は姿を変え、キレイな白色を楽しむことができます。

アオダモについてもっと詳しく知りたい方は以下をご参考ください。庭木に使う場合のイメージもたくさん掲載しています。

(参考)庭木としての「ソヨゴ」特徴と魅力とは?育て方や成長後の大きさ、虫の湧きやすさ、価格・相場はいくら?

アオダモの分類(専門データ)

項目内容
和名アオダモ
植物界
被子植物門
双子葉植物綱
ゴマノハグサ目
モクセイ科
亜族トリネコ属
ケアオダモ
学名Fraxinus lanuginosa f. serrata(フラクシナス ラニュギノウサ)
英名Japanese ash
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