庭木としての「ゴールドクレスト(コニファー)」特徴と魅力とは?育て方や成長後の大きさ、虫の湧きやすさ、価格・相場はいくら?

ゴールドクレスト(コニファー) 庭木
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ゴールドクレストの特徴と魅力

ゴールドクレストは庭木としてよく用いられるコニファー(針葉樹)の一種です。

アメリカ西部のカリフォルニア海岸に生育するモントレーイトスギからつくられた品種です。成長が早く生産が容易なため、比較的安く、量も多く出回っており、コニファーの中でも最も知名度の高い品種といえます。

ゴールドと名のつくように、やや黄色みがかった色をしています。黄色みは日光にあたるほど強くなります。

枝を切って挿し木にし、肥料や水をやれば増やすことができるので、安価で購入できることも多く出回っている理由の一つでもあります。

項目内容
名前ゴールドクレスト
漢字
その他の呼び名
樹木の種類常緑針葉樹
自然木の高さ~20m
成長速度早い(約30~50cm)
花の色
花の咲く時期
葉の大きさ
葉の色黄色みがかった緑
実の付く時期
食用
土壌・気候日当たり水はけがよい場所を好む
病気の耐性✕ 弱い(0°以上)
主な害虫アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ
国内の生息地
寒冷地

カリフォルニア州はどこ?気候は?

ゴールドクレストの原産地であるカリフォルニア州は中西部にあります。

カリフォルニア州最大の都市であるロサンゼルス自体は冬の最低気温が8.5℃とそこまで寒い地域ではありません。

夏も最高気温が30℃を上回ることがなく熱くなりすぎない環境といえます。ただし夏は雨が降らないので乾燥している地域です。

庭木としてのゴールドクレスト

成長が早く、黄色みがかったゴールドという綺麗な色のためとても人気のある庭木です。常緑のため1年中緑を楽しむことができます。

コニファーの中でも香りが強い品種で、爽やかな木の香りを楽しむことができます。

横方向に強く伸びることは無いので剪定も比較的容易です。ただし、木が成長して高くなったり、きれいな円錐形を保ちたい場合は剪定にかける時間が必要です。

コニファーは原産地の気候を好むため、寒さには弱く、育てるには0℃以上である必要があります。乾燥している土地を好みます。

これらの気候に合わないと葉が枯れてしまうことがあるため注意が必要です。

庭木としてのゴールドクレストの特徴
  • 成長が早い
  • 1年中緑を楽しめる
  • 落ち葉がないので掃除が楽
  • 庭上で根がついたら水やりしなくていい
  • 木の香りがある(ヒノキ科)
  • 害虫に強い
  • 乾燥に強いが、湿気に弱い
  • 根が張るまでに時間がかかる
  • 根が張りにくいので倒れやすい

葉は根元から生え、上へ上へと育っていきます。

葉が覆い茂るので生垣などで目隠しとしてもよく使われます。

尖った三角形の形状で育つため、その形のゴールドクレストを見かけることが覆いですが、下の方を刈り込めばそこから枝が生えてこなくなるため、自分で好きな形に整えることもできます。

どこまでオリジナルにするかはその人次第です。大阪府にある寝屋川公園には2本のゴールドクレストを使ったトトロの木があるほどです。

https://blog.goo.ne.jp/38025050/e/27071d3c8321ca226edf6e79a87c7d2f

自然に生えている木は最大で20mほどになりますが、日本の気候では5m程度になります。

鉢植えなど根が広く張りすぎないようにすれば成長させすぎないようにすることもできます。

ゴールドクレストの手入れ

植える場所と時期

水はけ、日当たりがよい場所を好みます。乾燥した気候には強いものの、湿気には弱いので、湿度の高い場所は避けてください。

また、寒い場所には弱いため最低気温は0℃以上が必要です。育成に適した温度は15~25℃のため、室内で育てることもできます。

庭植え(地植え)と鉢の植え替えタイミングは3~4月、9~10月頃が適しています。落葉樹と異なり、常緑樹は寒い時期に植え替えをすると根を痛め枯れてしまうことがあるので、寒い時期は避け、春頃に行うようにしてください。

生垣など目隠しとして植える場合でも木1本分の隙間を空けて植えるようにします。湿気に弱いため、あまりに密集させて植えてしまうと、内側から葉っぱが枯れてしまうことがあります。

根の張りが浅く成長が遅いため、風などで倒れてしまうため、強風が吹く場所は避けるか、植えてから数年間の間は支柱を添えます。

水やり

庭植え(地植え)および、鉢植えの場合も、植え付けから2年未満の場合は、土の表面が乾いたら、土の表面が水を吸わなくなるまで、しっかりと水をやります。

庭植えで2年以上経過し根が張れば、基本的に水やりの必要はありません。あまりに日照りが強く乾燥する場合は水をやってください。

剪定

湿気に弱いため、梅雨の時期などは蒸れないように、内側の枝や葉を刈って風通しをよくする必要があります。

基本的には円錐形の形を見ることが覆いですが、下側を刈ればそこから枝が生えてこなくなるため、自由に形を整えることができます。

一度枝を刈ってしまうとそこから新しい枝が生えてくることはないので剪定の際はイメージを持って切りすぎないようにするのがポイントです。

また、5m程度と高く成長する木なので、目標の高さに達したら、成長の先端部を切る芯止めを行います。

芯止めをしないととても大きくなります。大きくなればなるほど剪定が大変になります。

芯止めとは?

芯止めとは、木の頂点になっている幹を切ることで、木が上方向に成長するのを止めることです。

木は一般的に、上へ上えへと伸びていきます。そのとき木の頂点がぐんぐんと上に伸びていきます。木が成長する起点となっている幹や枝、根などを生長点といいます。その成長点をスパっと切ることで、木はそこから先へは成長できなくなります。


この性質を利用して、上方向の成長点を切ってしまうわけです。

葉っぱが茶色くなったけど大丈夫?

ゴールドクレストのみではなく、コニファーは内側の葉が茶色くなっていくことがあります。

これは、湿度が高すぎたり、日光が足りなかったりというコニファーにとって過酷な条件で葉が枯れていった状態です。

茶色くなり枯れてしまった葉は手で摘み取り、風通しをよく保ちます。一時的に不格好にはなりますが、時間が経てば、新芽が出てきて、また緑で覆われていきます。

また、摘み取りの際に金属製のハサミを使うと葉が変色することがあるので、手、あるいは、セラミック製のハサミなどを使います。

セラミックは材質としても優れていて、軽量で錆びることがありません。セラミック刃物で有名なフォーエバー(FOREVER)社のはさみが評判も高くおすすめです。

なお、先端部のみが茶色いときなどは、そこから新芽が出て覆い隠してくれることが大半なので、刈り取らずそのままにして様子を見るようにしてください。

ゴールドクレストの病気や害虫

葉枯病

上記の葉っぱが茶色くなる症状の原因の一つに、葉枯病があります。カビ(糸状菌)によるもので、湿度が高く湿っぽい時期に発生しやすいです。

葉の中には菌が潜んでいるので、茶色くなってしまった葉は摘み取り、風通しをよくして菌の拡散を防ぐようにします。

下に落ちた葉っぱの中にも菌がいるので、落ちた葉っぱも処分するようにします。

また、落ちた葉っぱから土の中に菌が入っていることもあるので、マルチシートを被せるなどして土の飛散を防ぐようにします。

葉枯病の発生を予防したり、カビなどの菌繁殖を防ぐためには、ダニコールという殺菌剤が価格も安めで評判も高くおすすめです。

アブラムシ

ゴールドクレストには害虫であるアブラムシが発生することもあります。アブラムシは葉の裏や茎などにつく小さな虫です。色は緑、赤、青、黒など様々です。

とても繁殖力が高く放置するとどんどん増えていきます。

植物につく害虫 葉っぱに群がるアブラムシ

被害としては、アブラムシが植物の汁を吸ったり、葉を覆うことにより光が届かず栄養が行き渡らなくなってしまうことと、アブラムシを介してウイルスが入ってしまうことです。

アブラムシを見つけた場合は早いうちに駆除する必要があります。

安全性では、ニームオイルという、インド原産の木の種(イントセンダン)から採れるオイルを使った完全オーガニックの除去剤がおすすめです。


殺虫剤はベニカXファインスプレーが即効性があり、持続期間も1ヶ月と長くおすすめです。


カイガラムシ

カイガラムシという1~10mmほどの小さな貝のような虫がつくことがあります。色は白いものが多く見られますが、茶色など様々な種類がいます。

wikipedia

カイガラムシは葉っぱにくっつきそこから養分を吸い取ります。養分を吸い取られた葉っぱは徐々に枯れて行ってしまうため、カイガラムシを見つけたら除去する必要があります。

カイガラムシは名前が貝とつくだけあって、殻やロウ状の物質で覆われているため薬剤が浸透しにくく、一般的に使われる虫よけの殺虫剤が効きません。

駆除するときは、園芸用のスコップなど先の尖ったものでピッとはじくようにして取り除きます。

触るも嫌、、という人やあまりにも数が多い場合はカイガラムシエアゾールというカイガラムシ専用のスプレーがあります。ジェット噴射なので高い場所を狙って塗布することも簡単です。

殺虫効果も1か月間持続するので、駆除したあとにまた再発することを防げます。夏期だけでなく冬期の越冬成虫にも効果があります。価格も800円程度と比較的お手頃です。

ハダニ

ハダニという0.3~0.8mmほどのとても小さな虫が発生することがあります。

Washington State Univ.

ハダニは葉っぱの裏や幹にくっつき、そこから養分を吸い取ります。

1匹では枯れるほど養分を吸い取られることはないのですが、繁殖力が強く大量発生して結果として葉っぱや木を枯らせてしまいます。

養分を吸い取られた葉っぱは部分的に白くなったり、枯れて茶色くなったりします。

ハダニは水滴など多少の水で溺れるため、水を浸した布等で葉っぱを拭き取れば除去することができます。

繁殖力が強いので、少しでも残っているとまた数が増える可能性があります。また、雨水が当たらない軒下や葉が覆い茂った場所などは繁殖しやすいです。

そういった場合は、ベニカXファインスプレーという殺虫剤が即効性があり、持続期間も1ヶ月と長くおすすめです。

ハダニのみではなく、アブラムシやうどん粉病などのカビにも効くので比較的万能です。


ゴールドクレストの価格・相場

ゴールドクレストの価格や相場は、その大きさにより大きく変化します。数十cmほどの苗であれば500円~5千円から、そして1mを越せば5千円~1万円、2mを越すものはあまり出回っていません。

目隠しや生け垣として複数本セットで売られていることも多くあります。

苗木

苗木の価格・相場は300円 ~ 5,000円程度です。年間30~50cmのスピードで成長していくので、苗で植えても数年である程度の高さになります。

1m~2m

価格・相場は5,000円~10,000円程度です。

複数本のセット

ゴールドクレストの注意点(デメリット)

ゴールドクレストは成長が早く育ちやすいのですが、適している気候が10~25℃程度の乾燥した地域のため、日本のじめじめした高温多湿の気候には合いにくいことがあります。

湿気が強い場合には木の内側から茶色く変色して枯れていってしまうことがあります。

元気に長く育てるには定期的に剪定をして風通しをよくすることが大切です。

また、寒さにも弱いため、ある程度温かいところでしか育ちません。根も浅くかつ上へ上へと高く伸びる木なので強風により倒れやすい性質もあります。

注意点(デメリット)
  • 湿気に弱い
  • 枯れやすい
  • 剪定が必要
  • 根が浅く、張るまでに時間がかかる
  • 強風などで倒れやすい
  • 成長が早い(年30~50cm)
  • 最大で20m程度の高い木になる

ゴールドクレストの分類(専門データ)

項目内容
和名ゴールドクレスト
植物界
球果植物門
マツ綱
マツ目
ヒノキ科
亜族イトスギ属
モントレーイトスギ
学名Cupressus macrocarpa ‘Gold Crest’
英名Gold Crest
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