CADの世界では平面図を斜線などで塗りつぶすことを「ハッチング」といいます。
▼ハッチングの例

エクステリアに特化したCAD O7では、2Dレイヤーがあり、パースにハッチングを追加することができます。

ところが、対象のハッチングを直接ドラッグ&ドロップすると自動的にエリア全体を覆ってしまいます。
ここでは、自動的に全体を覆わずに欲しい形でハッチングを適用する方法についてまとめています。
自動で全体に適用されてしまうとは?
最初に問題提起させていただいた「対象のハッチングを直接ドラッグ&ドロップすると自動的にエリア全体を覆う」というのは例えば以下のようなものです。
▼ハッチング適用前

このとき、2Dレイヤーのハッチング から適用したいパターンを選択してドラッグ&ドロップします。

すると以下のように、対象のエリア全体を自動で覆ってしまいます。

このとき、適用したハッチングの形状は自動的に敷地に合ったものになってしまいます。

こんな複雑な形状のハッチングが欲しいわけじゃない、、という時の対処法が以下になります。
ハッチングの形状を指定する方法
ハッチングの形状を指定する方法はいくつかあります。
- ハッチング自体のパターンを変更する。
- 補助線を使ってハッチングを作成する。
- 平面図形を描いて、その図形にハッチングを適用する。
ハッチング自体のパターンを変更する
敷地基礎や建物基礎の形状に合わせて適用したハッチングをあとから変更することもできます。
例えば、以下のような状態のとき、

ハッチングをダブルクリックするとノード(黒点)が表示されます。

この状態で、ノードをドラッグすれば形状を自由に変更できます。

敷地と重ね合わせると以下のようになります。

ただし、ノードが多い場合など変形が手間取ることも少なくありません。そうしたときは、簡単な図形を作成して、そこにハッチングを適用すると狙った形のものを簡単に作成することができます。
補助線を使ってハッチングを作成する
最もお勧めの方法は補助線を使ってハッチングを作成する方法です。
「補助線」レイヤーを選択して、補助線を描きます。(補助線レイヤーは他のレイヤーを選択している場合でも選択可能です)

様々な形の補助線があるので、作成したいハッチングに合った形状を選びます。

直線や曲線を組み合わせてエリアを作成する方法
直線や曲線の交点を重ね合わせて作成したエリアにハッチングを適用することもできます。
なお、補助線はドラッグして平面図に追加したあとにダブルクリックすると長さを数値で指定することができます。

補助線は現在の画面の大きさに合わせたサイズのものが追加されます。
このため、画面をズームした状態で補助線を追加すれば短い補助線、拡大した状態で補助線を追加すれば長い補助線が追加されます。
他にも、「自由多角形」のタブをクリックすると長さの決まった直線を追加することも可能です。

例えば、補助線を組み合わせて以下のような図形を作成したとします。

ここにハッチングを適用すると以下のようになります。

作成したハッチングは補助線から分離することもできます。ドラッグするだけです。

補助線を非表示にする
補助線が不要な場合は、「補助線」レイヤーの横の芽のマークをクリックすると表示・非表示を切り替えることができます。
▼表示

非表示

補助線を削除する
補助線が不要な場合は「補助線」レイヤーを選択して、削除したい補助線をドラッグで囲みます。
一括選択できるので、この状態でdeleteキーをクリックします。

↓ 削除

四角や丸のエリアを作成する
四角や丸など一般的な形状のエリアを作成する場合は、その形状の補助線があらかじめ用意されています。
円は「基本」タブの中に入っています。

四角は「自由多角形」の中に入っています。

サイズの変更も簡単です。
例えば、四角い補助線をドラッグで追加したら、その補助線をダブルクリックします。
すると、縦、横のサイズを数値で入力することができます。(円の場合は半径を入力できます)

数値を入力して「OK」をクリックすれば確定します。
形状を変更したい場合は頂点を引っ張ります。

頂点は□、頂点の中間は〇で表示されています。
このとき〇をドラッグすると、それが新たな頂点となり、その両側に〇が生まれます。

不要な頂点を削除するには、削除したい頂点をクリックして2本指でタップします。
↓ 頂点を1つ削除

↓ 右下の頂点を削除

ハッチングをドロップすれば、指定した形状のハッチングが作成できます。

平面図形を描いて、その図形にハッチングを適用する
2Dレイヤーを選択すると、右メニューに直線、四角、多角形、丸といった図形が表示されます。

作成したい図形に近いものを選んで、クリックし、パース上に描きます。
例として、以下のように丸を描きました。

ハッチングを適用するためには、ある程度の大きさが必要です。ハッチングのサイズは後から調整できるので、少し大きめの図形を描くのがポイントです。
この状態で、適用したいハッチングのパターンを描いた図形の中にドラッグします。

これで丸いハッチングのできあがりです。
ハッチングを選択すれば移動することができます。

四隅のノード(黒点)を選択して大きさを変えることも自在です。

ダブルクリックすると、ノードが表示されるので、図形を変更することもできます。


好きな形の多角形を作る
自分で好きな形状を描きたいときは、多角形ツールや曲線ツールを使います。

例えば多角形ツールを使うと以下のような図形を簡単に描くことができます。

砕石のハッチングをドラッグすると以下のようになります。

これで欲しい形状のハッチングができました。

サイズを変更すれば敷地の中に収めることもできます。
