産業廃棄物処理業を営んでいると「マニフェスト」という言葉を頻繁に耳にしたり、マニフェストなる「紙」を頻繁に見かけることになります。
ここでは、「マニフェスト」とは一体何なのか?について解説しています。
マニフェストとは何か?
本題に入るまえに、そもそも日本人の私たちにとって「マニフェスト」という言葉になじみがありません。
そもそも「マニフェスト」とは一体なんなのでしょうか?
マニフェストとは英語で「manifest」と書きます。「明らかにする」という意味を持っています。
政治家が「私はこれを実現します!」と掲げる目標もマニフェストと呼びます。このように、明確に見える化することをマニフェストと呼びます。
産業廃棄物における「マニフェスト制度」や「マニフェスト」とは何か?
産業廃棄物における「マニフェスト制度」とは、産業廃棄物が処理されるまでの流れがきちんと見えるように導入された法律のことです。
具体的には、どういった産業廃棄物をどれだけの量処分し、だれがそれを運搬して、誰が処分を行ったかを見えるかします。
これらの詳細な内容を記入する用紙を「マニフェスト」と呼びます。日本語では「産業廃棄物管理票」といいます。
マニフェストの目的は何か?
マニフェストが導入された目的は一言でいうと「不法投棄を防止すること」です。
産業廃棄物の処理の流れの見えるかを法律で義務付けることで、罰則を設け不法投棄を抑制しています。
マニフェストを書かなかったり、虚偽記載するとどうなる?
マニフェストを作成しなかったり、虚偽記載をすると法律違反となります。
違法した場合は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」という重めの罰則が適用されます。
マニフェストは誰が作成・発行する?
マニフェストを作成・発行するのは、産業廃棄物を出す人です。
廃棄物の運搬業者や、処分業者に依頼するときに、マニフェストを作成して渡します。処分するものの内容の詳細を渡すということです。
マニフェストは運搬業者にわたり、運搬業者が、いつどこに運んだかといったものを記入します。
そして、運搬業者が処分業者にマニフェストを渡します。処分業者はいつどのように処分したかを記載します。
そして、マニフェストは、最初にマニフェストを発行した人の元に戻っていきます。
マニフェストの報告義務
産業廃棄物を排出し、マニフェストを発行した組織は、廃棄の流れが記載されたマニフェストを受け取って終わりではありません。
マニフェストをしっかりと保存し、かつ、毎年6月末日までに、昨年の4月から今年の3月までの1年間の状況を都道府県(知事)に報告する必要があります。
これは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で定められたいます。
まとめ
「マニフェスト」という言葉だけ聞くと頭に「???」しか浮かびませんが、単に「産業廃棄物の処理の流れを見える化した紙」にすぎません。
法律で定められていることのなので、マニフェストを受け取ったり・記入する際は抜けもれなく対応することが大切です。