O7 CADはエクステリアに特化したCADソフトですが、建物デザイナー2というアプリケーションを使うと、3Dの建物を描くこともできます。
ここでは、建物デザイナー2を使って3Dの建物を描く基本操作方法について実例でまとめています。
- 敷地基礎と建物基礎を描く
- 玄関を設置する
- 玄関設置メニューがない場合の対処法
- 建物デザイナーの起動とデフォルトの家の作成
- リアルタイムパースの表示・非表示切り替え
- 5つの作業レイヤー
- 平面図で階を指定する
- 階数を減らす(平屋を作る方法)
- 階数を追加する方法(3階建てにする)
- 窓(サッシ)を追加・削除・移動・変更する
- 建物の高さを変更する(1階を高く・低くする)
- 屋根勾配を設定する
- 軒の出幅を変更する
- バルコニーを設置・削除
- 玄関ポーチはオフ
- グリッド線を合わせる
- 間取り形状を変更する
- バルコニーの移動と変形(間取り形状変更)
- バルコニーに壁と手すりを設置する
- 屋根の形状変形
- 屋根を寄棟から切妻に変更する
- 片流れの屋根を作る方法
- 天窓を設置する方法
- ドーマーを設置する方法
- 3Dプレビュー
- 建物デザイナーの完了
- 建物の色を変更する
- 玄関ドアの変更
- 玄関ドアの開く向きを変更する
敷地基礎と建物基礎を描く
まずは、敷地基礎と建物基礎を描きます。
ここでは以下のような建物基礎に対して3Dの家を作成していきます。
各辺の寸法を確定する。
建物敷地を追加したままの状態では各辺の寸法に()がついています。
寸法のどれかひとつを選択して数値を入力し、Enterをクリックします。
時計回りに寸法を確定していくことができます。
基礎レベルの設定
寸法を確定したあとに、寸法のどれかをクリックすると「基礎レベル入力」メニューが表示されます。
「宅盤からの天端高」や「宅盤からの下端高」「基礎厚」を入力し「OK」をクリックします。
- 「宅盤からの天端高」:地面からの基礎の高さ。基礎を高くしたり低くしたい場合に使用します。
- 「宅盤からの下端高」:基礎を地中に埋め込む深さ。深基礎にしたいときに使用します。
- 「基礎厚」:基礎の厚みです。
全ての辺に適用する場合は「この下端高を基礎内すべてに適用」にチェックマークを入れて「OK」をクリックします。
仮に、以下のように設定したとします。
手前側が数値を変更した基礎。奥の家はデフォルトの基礎です。
家を建てると以下のようになります。
玄関を設置する
「敷地基礎」レイヤーで建物基礎を選択した状態にします。
このとき右側に「玄関設置」というメニューが表示されます。
「玄関設置」を選択します。
黒抜きになるので、この状態で、平面図上で建物基礎の辺にカーソルを合わせると「▲」が表示されます。
玄関を設置したいところでクリックを押します。
これで玄関の設置が完了です。
玄関設置メニューがない場合の対処法
右側に玄関設置メニューが表示されない場合は、建物デザイナー2がインストールされていない可能性が大きいです。
建物デザイナー2はO7 CADとは別にインストールが必要なソフトです。
詳細については下記をご参考ください。
建物デザイナーの起動とデフォルトの家の作成
玄関設置完了以降は、「敷地基礎」レイヤーで建物基礎をダブルクリックすると、
建物デザイナー2が起動します。
建物デザイナー2を起動すると、建物敷地に合わせて自動で2階建ての家を作成してくれます。
この自動作成された家を調整して、好きなデザインに変えていきます。
▼自動作成された3D図
リアルタイムパースの表示・非表示切り替え
リアルタイムパースの表示・非表示の切り替えを簡単に行う事ができます。
上部に表示されている「リアルタイムパース」のチェックを外すと非表示になり、チェックを入れると表示されます。
×で消したり、表示メニューから表示することもできますが、上記のチェックマークを付けたり、外したりする方がより簡単です。
5つの作業レイヤー
建物デザイナーを使う上で重要なポイントの一つに、5つの作業レイヤーがあります。
右側に表示される丸矢印、田、屋根、キューブ、OKなどがそれに当たります。
それぞれで役割が異なっており、以下のようになっています。
いずれのレイヤーもとてもよく使い、それぞれで機能が異なるので注意が必要です。
平面図で階を指定する
デフォルトで表示されたときは、平面図のレイヤーが選択されています。
平面図は2Fの間取りを表しています。
これを1階に切り替えるためには、左下にある「1F」をクリックします。
敷地基礎の間取りを確認したいときは「基礎」を選択します。
階数を減らす(平屋を作る方法)
2Fを削除する方法
デフォルトでは2階建ての建物になっています。これを1階のみの平屋にするには、左下メニューの2階で右クリックをします。
すると「削除」というメニューが表示されるので、こちらをクリックします。
するとメニューから2Fが消えて、基礎と1Fのみとなります。
リアルタイムパースで確認すると以下のような屋根なしの状態になります。
2Fに屋根を設置する方法
左上のメニューで屋根マークのメニューを選択します。
すると、「屋根設定を現在のプランにあわせて作り直しますか?」と表示されるので「はい」をクリックします。
これで屋根が設置されます。
階数を追加する方法(3階建てにする)
階数を追加するには、右下メニューの「+」マークをクリックします。
すると階数が追加されます。このとき最上階の間取りをコピーして上に追加します。
2Fがある状態で追加した場合は以下のようになります。
2Fを削除した場合に「+」で追加すると以下のようになります。
玄関や窓などはあとから簡単に削除・移動・変更することができます。
窓(サッシ)を追加・削除・移動・変更する
窓の追加や削除、移動は平面図レイヤーと、3Dプレビュー画面で行うことができます。
ここでは平面図レイヤーで編集する方法について解説しています。
平面図レイヤーにおける窓
平面図レイヤーを開いたときに、以下の部分で白抜きで真ん中に+マークがあるパーツが窓になります。
窓を削除する
窓を削除するには、削除したい窓を選択します。
この状態でDeleteキーをクリックすると、指定した窓を削除できます。
窓の移動
窓を移動するには、移動したい窓をクリックします。
この状態でドラッグすると移動することができます。
違う辺に移動することもできます(自動吸着します)
↓ 上真ん中の窓を、右側上に移動
なお、高さ方向の位置を調整する場合は、対象の窓をクリックし、右側に表示される詳細メニューで「フロアからの高さ」の数値を変更します。
窓の移動時の注意点
窓を移動したときは窓の中心が壁の中心にきていることを確認します。
窓の位置がズレると、壁の中に埋め込まれてリアルタイムパースで確認したときに上手く表示されなくなってしまいます。
窓と壁の位置がズレている場合は以下の「~からの距離」が表示されなくなるので、その場合は窓の位置を調整する必要があります。
窓を追加する
窓を追加するには、下側メニューの「窓」をクリックします。
追加可能な窓の一覧が表示されます。絞り込みすることもできます。
追加したい窓の種類をクリックすると右側に寸法のラインナップが表示されます。
追加したい寸法をドラッグすると窓を追加することができます。
リアルタイムパースで確認すると追加した窓が反映されていることがわかります。
窓のサイズや高さ(位置)を変更する
窓のサイズを変更するには、対象の窓をクリックします。
すると右側に詳細設定のメニューが表示されます。
窓(サッシ)を変更する
窓を変更するには、変更したい窓をクリックします。
下側のメニューで「窓」を選択し、変更したい窓を選択します。
右側にサイズの一覧が表示されるので、追加したいものを選択します。
最後に、右上メニューの一番下にある「適用」をクリックします。
以上で窓の変更が完了です。
窓の変更方法2
窓の変更は上記の方法でも行えますが、以下の2ステップでも可能です。
- 平面図上で窓を削除する(Deleteキー)
- 追加したい窓をドロップする。
窓のオプション
窓(サッシ)にはオプションがついていて、シャッター、雨戸、格子、手摺り、カーテン、ブラインドなどを追加することができます。
オプションを追加したい窓をダブルクリックすると詳細設定メニューが起動します。
この、右上の部分がオプションになります。
上記図では、「窓枠」のみが追加されています。
雨戸
ここに「雨戸右」を付けると以下のようになります。
左右両方ともセットすると以下のようになります。
カーテン
カーテンを設置することもできます。
ブラインド
ブラインドを設置することもできます。
ラインナップがある場合は下側に表示されます。
変更する場合は、ドロップします。
手摺り
手摺りを設置することもできます。
ラインナップがある場合は下側に表示されます。
変更する場合は、ドロップします。
画像右側と下側のバーを移動させれば3Dで表示確認することができます。
シャッターBOX
シャッターBOXを設置することもできます。
リアルタイムパースで確認
なお、設定した内容はリアルタイムパースにも反映されます。
建物の高さを変更する(1階を高く・低くする)
建物の1Fや2Fなどを高くしたり、低くするといった調整は、一番上の「再計算」レイヤーで行えます。
クリックすると以下のように現在の寸法が表示されます。
2階と1階の高さを変更する
デフォルトでは各階の高さは2600に設定されています。
数値を変更し、OKをクリックすると壁の高さが変わります。
これで1Fに対して、2Fの壁の高さが低くなりました。
屋根勾配を設定する
屋根の勾配はでフォルトでは5度になっています。
より鋭角 or 鈍角にしたい場合は数値を変更しOKをクリックします。
▼Before
↓ 屋根勾配を10度に変更
軒の出幅を変更する
軒の出幅はデフォルトでは700になっています。
この数値を変更すると軒の出幅を変更することができます。
バルコニーを設置・削除
バルコニーの設置
バルコニーの設定は再計算レイヤーの右上の「バルコニー」で行います。
数値を変更して「OK」をクリックするとバルコニーを設置することができます。
バルコニーの削除
バルコニーを削除するには、再計算レイヤーのバルコニーのメニューで「作成」のチェックマークを外してOKをクリックします。
玄関ポーチはオフ
再計算レイヤーでは玄関ポーチを設定することもできます。ですが、基本的にはおO7 CADで設定する部分になるため、建物デザイナーでは作成のチェックマークを外しておきます。
グリッド線を合わせる
グリッド線を合わせる
2階の間取りや屋根の形状を変更する前に、グリッド線を建物に合わせておくと大変便利です。
上に表示されている「910㎜」グリッドをクリックします。
「基準点をクリックしてください。」と表示されるので「OK」を押します。
グリッド線を合わせたい頂点を1ヵ所クリックします。
グリッドの間隔を入力するダイアログが表示されるので、数値を数値を入力し「OK」をクリックします。
これでグリッド線が指定した頂点にピッタリと合います。
グリッド線に吸着させる
デフォルトでは上側のグリッドの横のチェックが外れた状態になっています。
この状態で間取りなどを変更しようとすると、グリッドの頂点に吸着しません。
チェックマークを入れておくと、グリッドに吸着させることができるため、間取り変更が容易になります。
間取り形状を変更する
平面図レイヤーを使うと、各階の間取りの形状を変更することができます。
現状では2Fの平面図は以下のようになっています。真ん中の黒い塗りつぶしはバルコニーです。
バルコニーがほんの一部しかない状態です。
ここではバルコニーよりも出っ張っている箇所を凹ませて、長方形にしていきます。
まずは、左右の頂点をバルコニーよりも後ろに下げます。
続いて、不要な頂点を削除します。
対象の頂点を選択した状態でDeleteキーまたは、右クリックを押し「削除」をクリックします。
これで、2Fの間取りをバルコニーよりも下げることができました。
窓が飛び出てしまっているのでドラッグして直します。
不要な階の間取りを非表示にする
以下の赤い枠線は2Fの間取りになります。手前側を見ると、1階の間取りも表示されていてわかりにくいです。
そんなときは左下のメニューで非表示にしたい階の目のアイコンをクリックします。
目が閉じた状態になると非表示になります。
これはリアルタイムパースにも反映されます。
表示・非表示で寸法が変わることはないので、必要に応じてどんどん活用していくのが便利です。
バルコニーの移動と変形(間取り形状変更)
平面図レイヤーでは、各階の間取りの変更以外にも、バルコニーの移動や変形もできます。
バルコニーの移動
バルコニーを移動はドラッグだけで簡単にできます。
↓ 移動後
リアルタイムパースで確認すると指定した場所にバルコニーが移動しています。
バルコニーの間取り変更
バルコニーの間取りを変更するには、各頂点、または線をドラッグします。
リアルタイムパースで確認すると指定した場所にバルコニーが設置されていることがわかります。
バルコニーに壁と手すりを設置する
作成したバルコニーを確認すると、正面側は塀と手すりがありますが、両面にはありません。
壁と手すりのありなしを確認する方法
壁と手すりのありなしは平面図上で確認することができます。
線が黒くなっている部分は壁とフェンスがある部分、白くなっている部分はなにもない場所です。
バルコニーをクリックすると、よりわかりやすくなります。
壁や手すりを設置する方法
壁や手すりを設置したい辺をクリックします。
すると、右側に「バルコニー壁編集画面」が表示されます。
現状では「手摺り」「壁」ともに「なし」になっています。
壁を追加する
壁を追加するには、壁の「変更」をクリックします。
下側に外壁に適用可能なパーツの一覧が表示されるので「バルコニー外壁」をクリックします。
右側に種類の一覧が表示されるので、追加したいものを選択します。
選択した状態で、右上の「適用」をクリックすると、指定した壁が適用されます。
リアルタイムパースで確認すると、指定した場所に壁が追加されているのがわかります。
手摺りを追加する
手摺りを追加するには、追加したい場所を選択します。
右側に「バルコニー壁編集画面」が表示されるので上にある「手摺り」の「変更」をクリックします。
下メニューの「バルコニー手摺」を選択し、右側から追加したい手摺のタイプを選択します。
この状態で「適用」をクリックします。
すると指定した場所に手摺が適用されます。
リアルタイムパースでも確認することができます。
反対側も同様に設定すると、バルコニー全体を手すり付きの壁で覆うことができます。
屋根の形状変形
屋根を自動生成すると、建物敷地の形に合った屋根が生成されます。
建物敷地の形状によってはおかしな形になることも少なくありません。
屋根の形状を変更するには「屋根レイヤー」を選択します。
このとき、「屋根設定を現在のプランに合わせて作り直しますか?」と聞かれます。
マニュアルで編集したい場合は「いいえ」を選択します。
屋根レイヤーで屋根を選択すると、現在の屋根の形状が赤い線で表示されます。
屋根の形状を変更するときは各頂点をドラッグします。
不要な頂点はDeleteキーで削除します。
これで、屋根の形状変更が完了です。
屋根を寄棟から切妻に変更する
デフォルトでは屋根は寄棟になっています。切妻にするには、切妻にしたい辺を選択し、右クリックして「屋根なし」を選択します。
Before
↓ 屋根なし(切妻)に変更
↓ 反対側も切妻に変更
元に戻すには、右クリックして「屋根あり」を選択します。
片流れの屋根を作る方法
片流れの屋根を作成するには、屋根のうち3辺を「屋根なし」(切妻)にします。
平面図で見ると、手前のみ赤の実線になっており屋根があり、それ以外は白抜きで屋根がない状態になっています。
天窓を設置する方法
天窓を設置するには、屋根レイヤーを使います。
下側のメニューで「FIX」と検索するとFIX窓の一覧が表示されます。
設置したいものを選択します。
これを平面図上で屋根の上にドロップします。
例えば、手前側に設置すると以下のようになります。
3D図で確認すると立ち上がっていることがわかります。
天窓を屋根と並行にするには、天窓をクリックします。
屋根製品編集メニューが表示されるので、下側の配置タイプを変更し「適用」をクリックします。
以上で屋根に対して天窓を平行に設置することができます。
設置した天窓の位置を変更するには平面図でドラックします。
ドーマーを設置する方法
出っ張った屋根であるドーマーを設置することもできます。
下側のメニューで「ドーマー」と検索すると、追加可能なドーマーの種類が表示されます。
追加したいドーマーを選択して屋根にドロップします。
デフォルトではかなり長く部屋の中に貫通してしまいます。
ドーマーを選択すると右側に設定メニューが表示されます。
「奥行」を変更して調整します。
3Dプレビュー
3Dプレビューレイヤーでは作成した家の間取りを確認することができます。
下側と右側のバーをスライドさせることで360度動かすことができます。
パーツを選択すると、寸法を変更することができます。
Deleteキーをクリックすれば削除することもできます。
ドロップすることで新たなパーツを追加することもできます。
建物デザイナーの完了
建物の作成が完了したら、左側の「OK」をクリックします。
「間取り図も同時に描き出しますか?」と聞かれるので「いいえ」を選択します。
作成した家がO7 CADに反映され完了となります。
建物の色を変更する
建物はデフォルトで白色になっています。
色を変更するには、O7 CADのリアルタイムパースから行います。
リアルタイムパースの下側にある△マークをクリックします。
メニューが表示されるので、「外壁 > 一般」を選択します。
適用したい外壁を選択してドロップします。
例えば1Fにレンガ調YR2を適用すると以下のようになります。
バルコニーや2Fなどそれぞれ個別に色を設定することもできます。
玄関ドアの変更
リアルタイムパースで玄関ドアも好きなものに入れ替えることができます。
下側メニューの「玄関ドア」から好きなものを選びドロップします。
↓
玄関ドアの開く向きを変更する
玄関ドアを選択した時に表示される右下のメニューで「左右反転」にチェックマークを入れると、開く向きを反転させることができます。