タキロン、ポリカ(ポリカーボネート)、トタン、スレートといった商品名や材料名を聞くことがあります。
これらの名前は聞いたことはあるけど、具体的に何が違うのかわからないという方も少なくありません。
ここでは、タキロン、ポリカ(ポリカーボネート)、トタンとは何か?何が違うのか?それぞれどういった場面で使うのが適切なのかや、選ぶ時に必ず重要になる価格についてまとめています。
タキロンとは何か?
タキロンとは何か?
屋根材で「タキロン」という名前を聞きますが、「タキロン」は商品や素材の名前ではありません。屋根材を販売しているメーカー名です。
正式名称はタキロンシーアイ株式会社といいます。
ベトナムなどの東南アジアに行くと、バイクのことをHONDAと呼びます。YAMAHAでもSUZUKIでもバイク全般をHONDAと呼びます。「タキロン」という言葉を使うのもこれと同じです。
タキロンの屋根材
実際、タキロンは様々な屋根材を販売しています。
通常「タキロン」という波板の塩ビの屋根材を指します。不透明なプラスチック素材の一種で「硬質塩ビ(硬質塩化ビニール)」といいます。
カラーは色々あり、白っぽい「乳白」、青っぽい「ブルー」、透明度が高い「クリア(クリアフロスト、クリアホワイト)」などがあります。
タキロン(塩ビ)の耐久性
耐久性は5年程度といわれています。あまり高くなく、紫外線で劣化するとぱりぱりになったり、変色します。
タキロンの塩ビの価格(安い)
タキロンの塩ビの屋根材の価格は全体的に安く、「屋根にこだわりはない。雨を防げてとにかく安くすませたい」という人にオススメなのは硬質塩ビの商品です。(※タキロンの硬質塩ビでも透過率80%の透明度が高いものは2倍程度の価格がします)
長さ6尺(1,820 x 655mm)のサイズだと参考価格は以下になります。だいたい1,000円前後といった感じです。
カラー | 参考価格 | 透過度 |
---|---|---|
乳白 | 1,080円 | 約23% |
ブルー | 1,080円 | 約58% |
クリアフロスト | 1,080円 | 約73% |
クリアホワイト | 1,960円 | 約80% |
ポリカとは何か?
ポリカとは何か?
ポリカとは材質の名前です。正式名称は「ポリカーボネート」です。
ポリカは高い強度や耐久性を持っています。硬質塩ビよりも耐久性が高く、塩ビやアクリルの約20倍、ガラスの約200倍の強度を持っています。
SWATなどの特殊部隊が持っている防弾の盾などの素材もポリカです(屋根材とは比較にならない厚さです)
塩ビよりも様々な色があり、より透明度の高い商品もあります(透過度約90%)。
ちなみに、タキロンもたくさんのポリカの屋根材を出しています。
ポリカ(ポリカーボネート)の屋根材
ポリカの形状は様々で、波板や平板、折半などの商品があります。
▼ポリカ(ポリカーボネート)
ポリカ(ポリカーボネート)の耐久性
ポリカ(ポリカーボネート)の耐久性は7~10年程度です。塩ビに比べると2~5年ほど長持ちします。
ポリカ(ポリカーボネート)の価格(高め)
ポリカ(ポリカーボネート)の価格は長さ6尺(1,820 x 655mm)のサイズで2,000~3,000円です。
塩ビの2~3倍の値段になります。
トタンとは何か?
トタンとは、亜鉛メッキした鋼板のことです。
瓦よりも安価・軽量で、施工がしやすいために普及した素材です。ただし、耐久年数が約10年、よくもって20年と比較的短いというデメリットがあります。
10年未満でサビが発生することも多々あります。サビた状態で長期間放置すると穴が開くこともあります。
ガルバリウム鋼板とは何か?
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛のメッキを施した鋼板のことです。単に「ガルバリウム」と呼ばれます。
トタンに比べて、耐久性が非常に高く20~30年も持ちます。最近では30~50年ほど持つ商品も販売されています。
トタンと違ってサビて穴があくということもほとんどありません。
ただし、完全にメンテナンスフリーというわけではなく10~15年に1回塗装をしなおす必要があります。
形状やカラーも様々なものがあります。
波板(なみいた)
「波板」とは形状の一種で、なみなみした形のことを指しています。よみがなは「なみいた」です。
平らな板ではなく波状にすることで、雨が流れやすく、屋根材に特化した形状となっています。
平板(へいばん)
「平板」とは形状の一種で、平な板のことを指しています。よみがなは「へいばん」です。
人によっては「ひらいた」ということもあるので、「それは違うよ」と指摘するのではなく、「ひらいた=へいばん」と頭の中で変換するのがいいと思います。
ポリカーボネートの平板などは、波板や折板よりも高価なことが多いです。
このため、ただ屋根が欲しいという場合にはあまり使われません。デザイン重視だったり、採光目的で全体、あるいは部分的に使われるのが一般的です。
折板とは何か?
折板とは何か?
「折板」とは形状の一種で、山と谷を繰り返して折り曲げた形のことを指しています。よみがなは「折板」です。
主に金属を折り曲げて作られますが、ポリカ(ポリカーボネート)などの樹脂でも折板形状のものがあります。
波板と同じく、雨が流れやすく、屋根材に特化した形状となっています。
▼金属の折板
▼ポリカ(ポリカーボネート)の折板
折板の材質
折板の材料として現在の主流になっているのは「ガルバリウム鋼板」です。
ひと昔前は安価なトタン(亜鉛めっきの鋼板)が用いられていましたが、耐久性の観点から、ガルバリウム鋼板へと変わってきました。
スレートとは何か?
スレートとは何か?
屋根の中には「ガルバリウム」や「トタン」のような1枚板を組み合わせるタイプの他に、瓦のようなプレートを重ね合わせるものもあります。
その代表格が「スレート」です。
スレートには大きく2種類「天然スレート」と「化粧スレート」があります。現在の主流は「化粧スレート」です。
このため、単に「スレート」といえば「化粧スレート」を指すのが一般的です。
化粧スレートの特徴の一つは様々なカラーがあることです。
天然スレートと化粧スレートの違い
元々、瓦の代替品としてより安価、軽量、施工がしやすい素材として開発されたのがスレートです。
当初は泥が堆積してできた「粘板岩」という岩を使って作っていました。天然の素材を使っているのでこれを「天然スレート」と呼びます。
その後、研究開発が進み、セメントを主成分としたより安価で耐久性・デザイン性の高いスレートが世の中に出てきました。これが「化粧スレート」です。
化粧スレートの耐久性
スレート屋根の耐久性は約10~20年です。耐久性ではガルバリウム鋼板に圧倒的があがります。
化粧スレートの価格
化粧スレートの価格は1坪(3.3㎡)あたり約12,000円程度です。1㎡だと約4,000円程度になります。